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■"Thermocline of Art : New Asian Waves" カールスルーエ現代美術館(ZKM Karlsruhe/Germany)

2007/06/20 (快晴)
ベルリン在住の作家の塩田千春さんが、ドイツのカールスルーエ現代美術館のグループ展に出品するとの情報で、カッセルなどに行く前に見に行くことにしました。カールスルーエを地図で調べると、フランクフルトの南に位置していて、フランクフルトから新幹線ICEで1時間少しで行けることがわかりました。

今回ドイツ各地への移動は、ジャーマンレールパスというドイツ鉄道乗り放題のチケットを利用することにしました。ジャーマンレールパスは、日本で事前に購入しないと入手できません。ちなみに5日分で189ユーロします。1日分6,500円ぐらいでしょうか。

この展覧会は、"Thermocline of Art : New Asian Waves"というタイトルの100人を超えるアジアの作家たちのグループ展です。日本からも、会田誠、畠山直哉、小沢剛、塩田千春、照屋勇賢ら20人近い作家が出品していました。会場で、現在上海に住んでいる旧知の作家の古川万里さんの作品を見つけ、うれしく思いました。

この展覧会のすべてをお伝えすることはできませんが、いくつか興味深い作品を紹介することにします。

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*Thermocline of Art : New Asian Waves
2007/06/14〜10/21
カールスルーエ現代美術館(ZKM | Center for Art and Media/Karlsruhe)
http://on1.zkm.de/zkm/e/besucherinfo

*地球の歩き方ホームページ(ジャーマンレールパスの情報)
http://www.arukikata.co.jp/index.html

*ドイツ鉄道 (Die Bahn) (ドイツ鉄道の駅探です)
http://reiseauskunft.bahn.de/bin/query.exe/en

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↑ 会場は、カールスルーエ中央駅からも歩いていけるZKMというアート・メディアミュージアムの中でした。広大なスペースに企画展のほか内容が充実しているコレクション展が見られます。
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↑ His Chair 2007 / Chiharu Shiota (Japan)
旧東ベルリン地区で使われていた窓わくを何重にも重ねて円筒状に組み上げた家です。高さが6mもある大きな作品です。

↓ 床には割れたガラスが散乱していて、一つのイスが置かれていました。使われている素材にそれぞれ意味が込められている作品です。
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↑ Wingecd Pilgrims : A Chronicle from Asia 2006 / Sheba Chhachhi (India)
暗い部屋の中で白い着物を着た人間がテレビを持っているように見せかけています。

↓ 見えるのは、テレビの映像ではなく、セル画をゆっくり回したローテクのしかけの絵です。
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↑ Note From the Sea Horizon / Yasuhiro Suzuki (Japan)
ひもを高速で回転させると残像現象で回転体が見えますが、そこに水平線の映像を投影させて見せています。回転体の形が変化して、おもしろい効果を出していました。
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↑ Case of Vietnam in the Evening 2004 / Mari Furukawa (Japan)
各国を旅しながら、その国で入手した鳥かご、布、紙、ランプなどを使って、人々の生活や風俗などを紹介するシリーズの作品を発表していました。

↓ それぞれの国で使われいる鳥かごの違いも興味深いものです。
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↑ Buddha Hurrieane 2005 / Chen Longbin (Taiwan)
仏像の頭上におびただしい数の本や雑誌がぶら下がっていました。

↓ よく見ると、この仏像が本や雑誌の縁を削ってできていることがわかり、驚嘆しました。
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↓ Bodyscope 2005 / Titarubi (Indonesia)
グラスファイバーでできている人の形をした大きな張りぼてが数体つり下げられていました。中がランプになっていて、死者を鎮魂しているかのように感じました。
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by artlover3 | 2007-06-24 02:10 | 現代アート

■フランクフルト・モダン・アート美術館(Museum fur Moderne Kunst, Frankfult am Main)

2007/06/19 (快晴)
今日は、フランクフルト市内の現代アートが見られる美術館を中心に見て歩きました。
フランクフルト中央駅構内にある観光案内所で「フランクフルトカード」を買うと、市内の交通機関が乗り放題なのと、おもな美術館・博物館などが50%offになるのでお得です。

なお、ドイツ語表記は使えない文字があるので、一部正しくありません。また、美術館などのURLなどを調べる時間がなかったので、リンクをはってありませんが、これは後日更新したいと思います。

フランクフルトで一番のおすすめは、モダン・アート美術館(Museum fur Moderne Kunst, Frankfult am Main)です。私はここで数時間過ごしました。

ウイーンの建築家ハンス・ホラインの設計によるこの美術館は、外観が三角形をしているので、"ショートケーキ"というニックネームがつけられているそうです。授業の一環で使われているのか、学生さんたちがたくさん見に来ていました。

現代アートのコレクションが次から次へと見られます。ボイスから始まり、私の知らない素敵な作家の作品が、複雑な作りの展示室にたくさん詰まっていました。その一部を紹介します。

欧米の美術館では、常設の作品は、ストロボを使用しなければ、たいてい撮影が許されています。規則にしばられた日本の美術館と大違いです。日本の美術館も見習ってほしいと思います。

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↑ フランクフルト・モダン・アート美術館のショートケーキのような外観。
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↑ Maurizio Cattelan : Ohne Titel/Untitled, 2007(右の馬の作品) 
 Jessica Diamond : Germany is Connecticut, 1989(左の文字の作品) 
入館すると、3階まで吹き抜けの広い部屋にあるこの2つの作品にまず出会います。これを見ただけで、これから何が見られるのか、わくわくしました。
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↑ Bill Bollinger : Red Hook, 1970 
油のわいた液体が入った4つのドラム缶がホースでつながれている作品です。
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↑ Joseph Beuys : Blitzschlag mit Lichtschein auf Hirsch, 1958-1985 
3階に届く巨大なボイスの作品。この作品に合わせて展示室が設計されているようです。
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↑ Robert Watts : Chair, 1962 
階段の踊り場に置かれた赤く光るイス、とてもおしゃれです。
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↑ Maurizio Cattelan : Ave Maria, 2007 
広い壁を使って、3本の手が何かを指差している作品。何を感じるかは、鑑賞者の心次第でしょうか。

↓ Rosemarie Trockel : Ohne Tilel (Frau ohne Unterleib), 1988 
台に置かれたワックスでできた人体と、人物を撮ったフィルム。取り合わせがおもしろい作品です。壁に展示されているのも同じ作家の作品で、毛糸で編んであります。
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by artlover3 | 2007-06-20 12:38 | 現代アート

■ドイツ各地とベネチアのアートシーン鑑賞の旅に出かけます

今、フランクフルトのホテルにいます。現地時間の6/19午前8時を過ぎたところです。

6/18から約1か月間、ドイツ各地とベネチアのアートシーン鑑賞の旅に出かけることにしました。おもなアートシーンは、ミュンスター彫刻プロジェクト、ドクメンタ、ヴェネチア・ビエンナーレですが、このほかにもドイツ各地で行われているいろいろな展覧会を見て回る予定です。

何しろミュンスター彫刻プロジェクトは10年に一度、ドクメンタは5年に一度、ヴェネチア・ビエンナーレは2年に一度しか開かれない国際アート展です。今年は、この3つの国際アート展が重なるので、今年を逃すと一生見られないかもしれないという強迫観念もあり、出かけることにしたのです。

現地から、このブログでそれぞれの展覧会の模様を紹介しようと思いますので、お気に入りに入れてときどきのぞいてみてください。ただ、インターネット事情によっては、現地から思うように更新できないかもしれません。そのときは帰国してからまとめて紹介したいと思います。

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*ミュンスター彫刻プロジェクト(Skulptur Projekte Munster 07)
2007/06/17〜09/30
http://www.skulptur-projekte.de/aktuell/

*ドクメンタ(Documenta 12)
2007/06/16〜09/23)
http://www.documenta12.de/

*第52回ヴェネチア・ビエンナーレ美術展(The Venice Biennale in 2007)
2007/06/10〜11/21
http://www.labiennale.org/

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↑フランクフルトへ向かう機内から外を見ると、虹がかかっているのに気づきました。旅のスタートにふさわしい現象に、しばし見とれていました。
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↑さらに外を見続けていると、今度は自分の乗った飛行機の機影が雲に写っているのを発見しました。ブロッケン現象のようでした。
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↑飛行機に乗るとき、できれば窓側の席を取ります。地上の様子を眺めることができるからです。これは、フランクフルト近くの畑にたくさんの風力発電機が林立しているところです。

↓フランクフルト郊外の建物を見たところです。土地が広いので、自由に建物を設計しているのがわかります。
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by artlover3 | 2007-06-19 15:06 |

■ノブギャラリーと作家たち —鴨下延弘追悼展— (NOB GALLERY)

愛知県岡崎市にあるノブギャラリーのオーナーの鴨下延弘さんが、ご病気で今年4月16日に亡くなりました。本当に残念です。私は現代アートのすばらしさを、このノブギャラリーを通じてたくさん知りました。

横浜から岡崎に通ってもお釣りがくるくらいすばらしい展覧会をいつも見せてくださったのが、鴨下さんでした。今年の2月、国島征二さんの個展のオープニングパーティでお目にかかったのが最後でした。

そして、6/9に岡崎で行われた「鴨下延弘氏を偲ぶ会」に出かけました。たくさんの方々が、全国から、外国からもかけつけて、鴨下さんの思い出を語り合いました。そして、鴨下さんの遺志を継いで、これからも岡崎の地から現代アートを発信していきましょうと、国島征二さんが呼びかけました。

2002年までJR岡崎駅近くにあったノブギャラリーは、とてもすてきな建物でした。それが道路拡張のため取り壊され、しばらく休廊していました。そして、2006年に東岡崎の近くにギャラリーを再開したばかりだったのです。

今回の追悼展は、ノブギャラリーゆかりの作家たちがそれぞれ力のこもった小品を出品しています。在りし日の鴨下さんのビデオも流されていて、とても感慨深い展覧会でした。鴨下さんのご冥福をお祈りいたします。

なお、ノブギャラリーの今までの活動については、ノブギャラリーのホームページに紹介されています。ぜひご覧になってください。

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*ノブギャラリーと作家たち −鴨下延弘 追悼展− (NOB GALLERY)
2007/06/05-->06/17
ギャラリー葵丘(ききゅう)
http://www.obara-group.com/kikyu/top1.html

<出品作家> 伊丹靖夫・井田照一・大平実・国島征二・近藤文雄・柴田英年・渋谷和良・杉浦イッコウ・土屋公雄・中川佳宣・西村正幸・浜本隆司・平田五郎・福田篤夫・松岡徹・クリステル ディルボーナ・ターウォン コー ウドゥンウィット・ノーワン シュワーブ・ロージャー アックリング(50音順)

*鴨下延弘氏を偲ぶ会
2007/06/09 17:00-->20:00
ギャラリー葵丘(ききゅう)にて

*ノブギャラリー (NOB GALLERY)
http://www2.gol.com/users/nobg/

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↑ 鴨下さんのおかげで、ノブギャラリーゆかりの作家の方がたにたくさんお会いすることができました。
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↑ 広い会場には、鴨下さんのお気に入りの作家の方がたの作品が展示されていました。

↓ 在りし日の鴨下さんの微笑みが忘れられません。会場に流されていたビデオより。
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↓ JR岡崎駅近くにあったノブギャラリー。 2002/05/25撮影。
ギャラリーの右側に私の車がとまっています。
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by artlover3 | 2007-06-11 17:42 | 現代アート

■笠井千鶴展 ちきゅうのあるきかた (Chizuru Kasai Exhibition)

愛知県日進市にあるGallery M で笠井千鶴展が開かれています。笠井さんの作品は、1997年以降、銀座にあったG-ART Galleryの個展などでたびたび見てきました。

機械仕掛けの作品は、時空を超えた世界をとてもユーモラスに表現していて、とても気に入っています。

今回の個展は、笠井さんの急病で開催が少し遅れたのですが、無事に始まったとの知らせでかけつけて見てきました。笠井さん早くよくなってくださいね。

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*笠井千鶴展 ちきゅうのあるきかた (Chizuru Kasai Exhibition)
2007/06/07-->07/01
Gallery M Contemporary Art(ギャラリーエム)
http://gallery-m.cool.ne.jp/

笠井千鶴さんのホームページ
http://www.h6.dion.ne.jp/~moon69ck/
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↑ 5台の機械仕掛けの人形が思い思いのペースで歩いています。その像をスクリーンに写して見せています。外が暗くなってからの方がよく見えると思います。
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↑ 顕微鏡で使うプレパラートのなかにいろいろなポーズの人体が閉じ込められています。それが数千個あると聞きました。それがギャラリーエムの広い壁に並べられていました。どこかの星の生命体が地球人の標本をコレクションしているようにも見えました。

↓ 人体のプレパラート。おもしろい発想だけれど、ちょっと恐いですね。
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↓ くり抜かれた本の中から傘にぶら下がった人物が、機械仕掛けで揺れ動いている作品です。とても愉快な作品でした。
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by artlover3 | 2007-06-11 15:26 | 現代アート

■遠藤年勇展 《P》そして《f》 (Toshio Endoh Exhibition)

横須賀市にある私設の美術館「カスヤの森現代美術館」に行ってきました。ここは、竹やぶに囲まれたとても環境に恵まれた美術館で、ランチやカフェも用意されていて、心安らぐ場所でもあります。

現在、館内の展示室と庭に設置されている作家の市川平さんのドーム(256個のパーツを組み合わせた直径12m・高さ6m、総重量約7トンの亜鉛メッキのスティール製)の中で、遠藤年勇展が催されています。

遠藤さんの作品は、遠藤さんの身近な人たちを写真に撮り、それをブロックや、立方体の箱にはりつけて、いろいろな見せ方で表現しています。遠藤さんはそれを道祖神といっています。

そして、その道祖神たちが今回、カスヤの森の市川さんのドームに出会い、そこに展示されているのです。

なお「カスヤの森現代美術館」では、7/4から佐藤秀明・写真展が、7/22から市川平・西雅秋《dialogue3:形の方策》展が始まります。

近くには、横須賀美術館や、神奈川県立近代美術館葉山館もあるので、その道中に寄るのもいいと思います。

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*遠藤年勇展 《P》そして《f》 (Toshio Endoh Exhibition)
2007/05/02-->06/30
カスヤの森現代美術館・MUSEUM HAUS KASUYA(第二展示室・野外展示)
http://www.museum-haus-kasuya.com/

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↑ 写真が貼られた小さな立方体の箱が詰められています。見る人が自由に並べかえて見られるようになっています。
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↑ 市川平さんのドームの中に、道祖神のブロックがたくさん鎮座していました。

↓ 作家の遠藤年勇さん。今も出会った人のスナップ写真を撮り、道祖神を増やしているようです。私もスナップを撮られたので、いつか道祖神になるのかもしれませんね。
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by artlover3 | 2007-06-11 02:40 | 現代アート